2024.11.15
プログラム
2024年10-11月、東北大学がドクトラル・コロキウムを主催しました。各学問分野における最新の知見の共有、横断的な視点での研究シーズの開発や共同研究の促進を目指す取り組みです。初開催となる今年度は、地球科学系コロキウムと人文社会系コロキウムの2本立てで実施されました。
① JIGE 2024 ドクトラル・コロキウム・シリーズ with Penn State University
10月30日(水)、「JIGE 2024 ドクトラル・コロキウム・シリーズ with Penn State University」が対面およびオンラインで開催されました。このコロキウム・シリーズでは、JIGEの海外パートナー大学のひとつであるペンシルバニア州立大学の研究者を招き、「The Next Millennium for Planet Earth」をテーマにディスカッションを行い、その後特別セミナーを開催しました。
コーディネーターは、東北大学グローバルラーニングセンターの粕壁善隆教授、同センター兼理学部・理学研究科の渡邉由美子教授が務め、理学部・理学研究科の掛川武教授が開会の挨拶を行いました。午前中のディスカッション・セッションは、米国東海岸のペンシルベニア州立大学とオンラインでつなぎ、東北大学訪問中の同大学地球鉱物研究科長Lee Kump教授による、ディスカッションの導入のための短い講義が行われた後、ペンシルベニア州立大学と東北大学の大学院生たちがディスカッションを行いました。ペンシルベニア州立大学地球鉱物研究科のKevin Furlong教授、掛川教授も話題提供を行い、研究者がどのように気候変動や防災に対応していくか、社会科学の観点も含めて活発な意見交換が展開されました。
午後4時からの特別セミナーでは、Kump教授が「Biogeophysical Tipping Points」と題して講演しました。対面とオンラインで約20名の学生が聴講し、Kump教授の研究や2年前に逝去したJames E. Lovelock教授とともに行った研究について学びました。最後には掛川教授から閉会の挨拶があり、盛況のうちに幕を閉じました。
② JIGE 2024 グローバル・ドクトラル・コロキウム:Humanities and Social Sciences as Catalysts for Global Change
11月9日(土)日本時間午前9〜11時、「JIGE 2024 グローバル・ドクトラル・コロキウム:Humanities and Social Sciences as Catalysts for Global Change」がオンラインで開催されました。このコロキウムでは、JIGEの海外パートナー大学と、国内連携3大学(東北大学、関西大学、千葉大学)に所属する人文社会系の博士後期課程学生および若手研究者を対象に、特別フォーラムと研究発表を行いました。当日は約40名にご参加いただきました。
コーディネーター・総合司会は東北大学グローバルラーニングセンターの湊洵菜助手が務め、同大学副理事(国際交流担当)・同センター副センター長の末松和子教授による開会の挨拶で幕を開けました。冒頭の特別フォーラムには、一橋大学経済研究所・東北大学DEI推進センターの臼井恵美子教授が登壇し、米国・日本で研究キャリアを切り拓いてきた自身の経験を踏まえ、「Practical Tips for Entering the Job Market」と題した話題提供・参加者との意見交換を行いました。
続く研究発表会では、米国、マレーシア、日本から15名の博士後期課程学生・若手研究者が登壇しました。発表者の専門は、経済学・史学・心理学・文学・社会学・文化人類学・哲学・教育学の8分野に及び、隣接するテーマごとに5つの会場に分かれて発表・質疑応答を行いました。オーディエンスとしては修士(博士前期)課程学生の参加も歓迎され、学年や身分、大学、分野、そして国・地域の境界を超えた問題意識の共有やディスカッションが展開されました。最後に、末松教授が今後の持続的な研究コミュニティの形成に向けた展望を述べ、閉会しました。参加者からは、研究そのものの推進に向けてはもちろん、研究に携わる者としての姿勢・考え方の涵養としても、他大学・他分野の学生・研究者とネットワークを構築することの重要性が認識されたとの声が聞かれました。
東北大学では、引き続き、JIGEの枠組みにおいて多様なドクトラル・コロキウムを開催し、次世代を担う研究者たちの相互研鑽を促進してまいります。